KojiMurata()

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ライフログ

普通だと思っていた事が普通では無かった




去年の4月にセブに移動してから半年以上経ち、普通に生活を送ってきましたが、12月の下旬に気になるくらいの症状が現れました。例えば、胸が締めつけられたような感覚や、37℃近くの体のほてりなどを日常的に感じるようになりました。特に気になった症状は、仕事でミスを何度も繰り返すと言った集中力の低下でした。

気になる症状

自分もそれなりに仕事をこなす集中力はある方だと思っていたので、「ちゃんと確認したはずなのに!」なんで?って感じでした。それで妻から「専門家に見てもらった方が良いんじゃない」と言われました。自分でも、気になるくらい症状を自覚するようになったので、「Ubie」というAIの問診アプリで、自分の症状を答えるだけで、関連する病気を予想してくれるサービスを利用しました。すると、うつ病を疑われました。自分でも信じられませんでした。

丁度、うつ病と戦っている友人がセブにいて、その友人から精神科医を紹介してもらい、診察することにしました!

初めて受ける精神科医との診療

12月に人生初の精神科医との診察を受けました。まずは自分の仕事の事や、趣味、結婚相手などに関する角度で質問されました。おそらく、ストレスの原因となっているものを探るためだと思います。

最近、誰かに命を狙われていないか?訴えられていないか?金銭的なトラブルはないか?仕事でパワハラを受けていないか?なども質問されました。さらに質問が続き、死にかけたことはあるか?命に関わるような大病をしたことがあるか?などの恐怖を経験をしたかどうか聞かれました。特になかったので、次の質問に移りました。

ここから、自分の症状に関係する質問へと展開しました。ここ数年以内、何か大きな決断をしましたか?大きな買い物をしたり、仕事を変えたり、引っ越したりするなど、人生設計に影響するような事をしましたか?という質問でした。結構ありました!

短期間で何度も引っ越した背景

確かに、ここ数年の間、以下のような出来事がありました。

  • 2023年3月:付き合ってる人と結婚を真剣に考えるようになった
  • 2023年5月:失業する
  • 2023年7月:婚約と結婚式への準備
  • 2023年10月:結婚。実家を出て引っ越し、新婚生活の始まり
  • 2023年12月:訳があって引っ越し
  • 2024年1月:新しい仕事をスタート
  • 2024年4月:セブへ引っ越し

医者が特に気になったのは「引っ越しの回数」です。正直に言いますと、「自分の母親から、新婚生活を脅かされていた」、という特殊な訳がありました。そんな訳もあり、去年の4月にセブへ引っ越して来ました。

徐々に掘り起こされる過去の闇

医者は親から虐待を受けたことがあるか?と言われ、徐々に質問がダークな方向に向かっていきました。覚えている限り、蹴られたり殴られたりなど暴力は振るわれたことはないですが、よく怒鳴られたり、ヒドイ言葉で脅迫されたことを説明しました。そして、具体的にどんなことを言われたのか?どんな脅迫をされたのか?と質問されました。その場で、すべて思い出すことはできなかったので、覚えていることを話しました。覚えている限り:

“あんたを産まなければ良かった”
“どうせ親なんて、もういらないんでしょ?”
“あなたは早くママから離れたいんでしょ?”
“一緒に自殺しようか?”

などと言う言葉でした。

思い出すと、中学生?(2007年頃)の時から、母親はこのフレーズをよく言うようになりました。それから10年以上経過しましたが、ずっと我慢して来ました。正直気分は良くありませんが、聞き流すようにしました。フィリピンで生活していることもあり、母親は英語を流暢に話せないのもあり、生活周り(支払いや手続きの関係、車や家のメンテナンス、母親のビザの更新、プールの掃除など)の事は、ほぼ自分がやっていました。そのため、実家を離れるのはどうしても無理でした。周りの人も「こうちゃんはこれからもずっとマニラにいないといけないね」と言われるプレッシャーもありました。いつか必ずマニラを出たいと願っていました。

父親はと言いますと、母親の性格もあり、必ず喧嘩してしまいます。そして、結局父親が家を出てしまいます。2017年くらいだと思うけど、父親が胆のう炎で入院して手術した後、家で療養していましたが、母親の作った食べ物を食べなかったことが原因で、母親が激怒し、包丁を持って追い出してしまいました。それ以降、父親は外にいる時間が徐々に長くなり、新型コロナが収束した後、家に帰ってくる事は、ほとんどありません。こうした出来事があったため、母親や家の世話は自分がすることになりました。(色んなエピソードがありますが、将来的に投稿します)。

気分を誤魔化していた自分

当時、親のことで嫌な思いをした時、自分で自分の感情と戦うことがほとんどでした。特に親からは「家族の問題を他人に話すことは愚かな人がやることだ」と言われ続けていたので、当時の友人に打ち明けるのも、挑戦でした。でも、精神的に余裕がなくなると、どうしても外に吐き出さないといけませんでした。結婚する前後、本当に大変でした(このエピソードを書くと、非常に長くなるので、別の機会に投稿させていただきます!)

残念ながら、ほとんどの人は母親の事を信頼していたので、母親の肩を持ち、「もっとお母さんの事を理解してあげないと!お母さんはあなたの事を思ってくれてるんだよ」と言われてしまいました。彼らは話を聞いてくれないどころか、そもそも聞こうともしてませんでした。裏切られた感がヤバかったです。夫婦共々、自分たちの考え方が間違っているのかなー?と自分らの感覚を疑うようになりました。

良き理解者たち・セブ島へ来れるようになったきっかけ

そんな中で、妻は本当に自分に寄り添ってくれて、私の必要をよく理解してくれていました。妻も母親からいじめられていたので、非常に辛い経験をしました。妻も悪夢を見たり、幻聴が聞こえたりなどの症状を訴えていました。このような症状について打ち明けても、彼らは常に母親の味方でした。この時、母親が悪魔に見えました。妻は私が守るしかありませんでした。そのことも含め、マニラを離れ、セブ島に移動したいという願いが、より一層強くなりました!

そんな中でも、私が本当に信頼していた友人がいました。彼らに問題を打ち明けると、これまでにないような仕方で、ずっと黙って話を聞いてくれました。そして、最後には一緒に慰めてくれました。彼らから得た大きな励ましは、かけがえのないものでした。当時は2024年1月でしたが、思い切って4月を目標にセブ島へ移動することにしました。

思い出す過去のトラウマ

セブ島に移動してから生活が落ち着いて来た頃、親からされて来たトラウマを思い出すようになりました。離れて暮らしているのに、なんでだろう?疑問ばかりでした。そして冒頭で述べた胸が締め付けられるような感覚や、37.3度くらいの微熱が日常的に現れるようになりました。

精神科医とのカウンセリングの話に戻ります。親からやられた事を思い出すと、ガラス瓶やコップなどを投げつけられたり、包丁を持って追いかけて脅されたりなどでした。親からは包丁で何度も脅されたけど、本当に刺してくることは一度もないので、セーフなのかなと勝手に思っていました。そう言ったことも含め、精神科医に説明しました。しかし、医者からは「十分な暴力だよ」と気づかせてくれました。普通の親は、痛い思いをして産んだ自分の子ども対して包丁を向けることなどできない、あなたを精神的に「支配している」だよと言われました。その「支配」という言葉に納得いきました。

症状を詳しく分析する

医者から精神的な観点に関する質問へ移っていきました。例えば、フラッシュバックを見ることはありますか?あるいは何かを見たり、聞こえたり、感じたりした時に、嫌な事を思い出すことはないかと質問されました。

私はフラッシュバックを見ることは、ほとんどありませんでした。しかし、夢の中で母親が追いかけてくる夢をみることはよくありました。結婚してからも、セブに移動してからも、この悪夢はよく見ます。特に辛いのは、本人と声がそっくりな人や体臭が似ている人が近くにいると、鳥肌が立ったり、胸が締め付けられたりする経験はありました。今は離れて生活していますが、当時トラウマは続いていました。医者からはこれらの症状を「フラッシュバックの一種」として説明しました。

母親の実態を分析する

数週間が経ち、2025に入ってからも診察をうけることになっていたので、母親に関する嫌な事を思い出したら、メモるようにしていました。辛かったけどnotionなどに箇条書きにしました。しかし、書き込んでいくうちに、母親の実態や、考え方のパターンを徐々に理解するようになりました。親からやられたことを正直に分析していけば行くほど、徐々に怒りが込み上げていきました。

診断の結果

最終的に診断されたのが「Chronic PTSD」でした。PTSDとはPost Traumatic Stress Disorderで、日本語に訳すると「心的外傷後ストレス障害」ですが、私の場合「慢性的」のものでした。PTSDは嫌な体験の記憶がフラッシュバックのように思い出されたり、夢に出て来たりするなどの症状が現れる精神疾患です。本来PTSDは、恐ろしい出来事(大きな災害、戦争、犯罪被害など)を経験した後に、現れるそうです。そんな病気にかかっていたなんて思ってもいませんでした。

特に要因となったのが、長期間(20年以上)に渡る継続的な言葉による虐待、愛するべき母親に精神的に支配された事柄、長期間に渡る母親に関する悪夢などです。

今まで普通だと思っていた事が普通では無いと分かった瞬間、肩の荷が大きくおりました。親元を離れることに対して母親から植え付けられた罪悪感がありましたが、今はその気持ちもスッキリなくなりました。

今セブ島に住んでいますが、自分の症状などをよく理解してくれる良い友だちに囲まれています。特に、妻は私の事をよく理解してくれているので、心から感謝です。この写真は、去年の4月にセブ島に到着した時のものです。空港近くにあるカニ屋さんですが、とてもおすすめです。近い将来、ブログ記事で 取り上げます!